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法定相続情報一覧図の作り方 完全ガイド
必要書類・様式・法務局への申出まで

公開: 2026-07-05 | 監修: 柏原昌之 (司法書士/花の丘相続遺言サポート 代表)

結論: 法定相続情報一覧図は 自分で作れます。そして法務局の交付手数料は 何通でも無料 です。

必要なのは「戸籍を集めること」と「A4 1 枚の一覧図を作ること」の 2 つだけ。この記事では、必要書類のチェックリストから法務局への申出、つまずきやすいポイントまで、司法書士の監修のもと手順どおりに解説します。

📋 作成までの流れ

流れ 目安
① 戸籍集め (必要書類を揃える) 1〜2 週間程度 (郵送請求を含む場合)。取得実費 1 通 450〜750 円程度 × 必要通数 (合計数千円程度が目安)
② 一覧図の作成 手書き・Excel で数時間/自動作成ツールなら 15 分程度
③ 法務局へ申出 → 交付 数日〜2 週間程度 (法務局・混雑状況による)
法務局の交付手数料 0 円 (何通でも無料)

1. 法定相続情報一覧図とは

法定相続情報一覧図とは、亡くなった方 (被相続人) の相続関係を A4 1 枚にまとめ、法務局 (登記所) が内容を確認して認証文を付けてくれる公的な証明書 です。2017 年 (平成 29 年) 5 月に始まった「法定相続情報証明制度」に基づくもので、認証文付きの「一覧図の写し」は 戸籍謄本の束の代わり として、次のような手続きに使えます。

💡 何が便利なの?

相続手続きでは、銀行 A・銀行 B・法務局・税務署…と提出先ごとに戸籍の束を出しては返してもらう必要があり、1 か所ずつ順番に進めると数か月かかることもあります。一覧図の写しは 無料で必要な通数を交付してもらえる ので、複数の手続きを同時並行で進められるようになります。

相続関係説明図との違い

よく混同されるのが「相続関係説明図」です。どちらも家族関係を図にしたものですが、役割が違います。

法定相続情報一覧図 相続関係説明図
法務局の認証 あり (公的証明書になる) なし (私的な図)
戸籍の代わりになる? なる (写し 1 枚で提出可) ならない (戸籍一式と一緒に提出。登記等では原本還付に使える)
様式のルール 法務局の記載ルールあり (A4・下 5cm 余白 等) 自由 (決まった様式なし)
費用 交付無料 (戸籍実費は別) 作成費用のみ (提出手数料なし)
向いているケース 提出先が多い (銀行複数 + 登記 + 税務 等) 提出先が少ない・急ぎで 1 か所だけ

※ 提出先が 1〜2 か所だけなら、法務局への申出の手間がない相続関係説明図の方が早い場合もあります。どちらも作る情報 (名前・生年月日・続柄) は同じなので、まず相続関係説明図として作っておき、必要になったら一覧図の様式に整えて申出する、という進め方もできます。

📌 再交付は 5 年間

一覧図は法務局に 5 年間保管され、申出日の翌年から起算して 5 年間は 無料で再交付 を受けられます (再交付を申出できるのは当初の申出人のみ)。手続きの途中で通数が足りなくなっても安心です。

2. 必要書類チェックリスト

申出に必要な書類は次のとおりです。①の「出生から死亡まで連続した戸籍」を揃えるのが一番の山場 で、ここさえ越えれば後は難しくありません。

① 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本 必須

亡くなった方の本籍地の市区町村役場で取得。転籍や婚姻で戸籍が変わっている場合は、古い戸籍 (除籍謄本・改製原戸籍) まで遡って 出生時点まで連続 するように集めます。1 通 450 円 (戸籍謄本)・750 円 (除籍・改製原戸籍) の実費がかかります。

② 被相続人の住民票の除票 必須

最後の住所地の市区町村役場で取得。取得できない場合は「戸籍の附票」で代用します。

③ 相続人全員の現在の戸籍謄本 (または抄本) 必須

相続人それぞれの本籍地の役場で取得。被相続人の死亡日 以後 に発行されたものが必要です。

④ 申出人の氏名・住所を確認できる書類 必須

運転免許証の表裏コピー・マイナンバーカードの表面コピー (いずれも「原本と相違ない」旨を記載して記名)、または住民票の写し 等。

⑤ 各相続人の住民票の写し 一覧図に住所を書く場合のみ

一覧図への相続人の住所記載は 任意 ですが、記載する場合はその証明として住民票が必要になります。相続登記や金融機関の手続きでは住所入りが求められる・便利なことが多いです。

戸籍集めのコツ: 広域交付制度を活用する

2024 年 3 月から 戸籍の広域交付制度 が始まり、本籍地が遠方でも 最寄りの市区町村窓口で戸籍謄本をまとめて請求 できるようになりました。転籍が多い方の「出生まで遡る戸籍集め」が大幅に楽になります。

  • 請求できるのは 本人・配偶者・直系尊属 (父母等)・直系卑属 (子等) の戸籍のみ (きょうだいの戸籍は対象外)
  • 窓口に本人が出向く必要 があります (郵送・代理人は不可)。顔写真付きの本人確認書類 (運転免許証・マイナンバーカード等) を持参
  • コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は対象外のことがあります

※ 戸籍の集め方の詳細は、別記事「相続の戸籍の集め方 完全ガイド」で解説しています (出生から死亡までの遡り方・広域交付・費用)。

3. 作り方 5 ステップ

1 戸籍謄本など必要書類を揃える

上のチェックリスト①〜④ (住所を書くなら⑤も) を揃えます。郵送請求を含むと 1〜2 週間かかることもあるので、最初に着手しましょう。広域交付制度が使える方は最寄りの役場でまとめて取れます。

2 戸籍を読んで相続人を確定する

集めた戸籍を出生まで遡って読み、法定相続人が誰か を確定します。ここで見落としやすいのが「前婚の子」「養子縁組」「認知した子」の存在と、「代襲相続」(先に亡くなった子の子 = 孫が相続) の有無です。戸籍の身分事項欄をひとつずつ確認してください。誰が相続人になるかの範囲・順位に迷ったら、相続人は誰か 完全ガイド で判定ルールを確認できます。

3 法定相続情報一覧図を A4 1 枚で作成する

いよいよ一覧図の作成です。様式のルール は次のとおりです。

  • A4 縦 の丈夫な白い紙 1 枚に収める
  • 用紙の 下から約 5cm は空白 にする (法務局の認証文が入る欄)
  • 記載事項 — 被相続人: 氏名・最後の住所・生年月日・死亡年月日 / 相続人: 氏名・生年月日・続柄 (住所は任意)
  • 続柄は戸籍の記載どおり (「長男」「長女」「養子」 等) に記載する
  • タイトルは「被相続人 ○○○○ 法定相続情報」、作成日・作成者の記名も必要
  • 図形式 (家系図スタイル) のほか、列挙形式でも可。モノクロ・無背景 で明瞭に

作成方法は 3 つあります。

✍️ 手書き

明瞭に判読できれば可。修正・書き直しの手間が難点。

📊 法務局の Excel 様式

法務局サイトに家族構成別の様式と記載例あり。線や枠の調整は手作業。

⚡ 自動作成ツール

名前・生年月日・続柄を入れるだけで自動レイアウト。みんなの相関図 は法務局の記載ルールに準拠した「法定相続情報一覧図」モードを搭載 (14 日間無料・カード登録不要)。

4 申出書と一緒に法務局へ提出する

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」(法務局サイトからダウンロード可) に記入し、一覧図 + 必要書類を添えて提出します。申出できる法務局は次の 4 つのうちいずれか を管轄する登記所です。

  • 被相続人の 本籍地
  • 被相続人の 最後の住所地
  • 申出人の住所地 (自宅近くの法務局で OK)
  • 被相続人名義の 不動産の所在地

窓口のほか 郵送でも申出できます (返信用封筒 + 切手を同封)。提出した戸籍等の原本は、確認後に返却されます。

5 認証文付きの「一覧図の写し」を受け取る

登記官の確認後、認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」が交付されます。交付は無料・必要な通数をまとめて受け取れます。提出先 (銀行の数 + 登記 + 税務 等) を数えて、少し多めに請求しておくのがおすすめです。以後 5 年間は再交付も受けられます。

4. Excel テンプレート・手書きとの比較

「テンプレートをダウンロードして Excel で作ろう」と考える方は多いのですが、実際にやってみると 線と枠の位置調整に時間を取られる のが Excel 作成の実情です。特に代襲相続や養子縁組が絡むと、テンプレートの想定外のレイアウトを手作業で組むことになります。

手書き Excel テンプレート みんなの相関図
レイアウト調整 全部手作業 線・枠を手作業で移動 自動計算 (A4 1 枚に収まるよう配置)
代襲・数次・養子 書き方を調べながら 様式の作り替えが必要 対応済み (入力するだけ)
修正のしやすさ 書き直し セル・図形の再調整 再入力するだけ (図は自動で描き直し)
費用 0 円 0 円 (Excel 所有が前提) 14 日間無料 (カード登録不要・その後継続する場合のみ月額)

※ 相続人が「配偶者 + 子 1 人」のようにシンプルな場合は、法務局の Excel 様式でも十分作れます。人数が多い・関係が複雑な場合ほど自動レイアウトの恩恵が大きくなります。

5. つまずきやすいポイント 6 選 (司法書士監修)

① 相続放棄・遺産分割の結果は反映されない

一覧図はあくまで 戸籍上の法定相続人 を証明するものです。相続放棄した人も記載されますし、遺産分割協議で誰が何を相続したかも反映されません。放棄や分割の内容は、相続放棄申述受理証明書や遺産分割協議書を別途提出して証明します。

② 数次相続は 1 枚にまとめられない

被相続人の死亡 に相続人が亡くなった場合 (数次相続)、その方の相続関係は同じ一覧図に書けません。被相続人 1 名につき 1 枚 ずつ作成し、それぞれ申出します。一方、被相続人より 先に 子が亡くなっていた場合 (代襲相続) は、孫を「代襲者」として 1 枚に記載できます。

③ きょうだいが相続人の場合は戸籍がさらに必要

被相続人に子がなく、父母も既に亡くなっていて 兄弟姉妹が相続人 になるケースでは、「他に子がいないこと」を証明するため 被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの戸籍 も必要になります。書類の量が一気に増えるので、このケースは専門家への相談も検討してください。

④ 下 5cm の余白を忘れる

一覧図の下から約 5cm は法務局の認証文が入るため 何も書いてはいけません。ぎっしり書いて余白が足りないと補正 (作り直し) になります。人数が多い場合は文字を小さくするのではなく、レイアウト全体で調整します。

⑤ 住所を書くなら住民票もセットで

相続人の住所記載は任意ですが、書く場合は その相続人の住民票の写し を添付する必要があります。相続登記や金融機関では住所入りが求められる・便利なことが多いので、迷ったら「住所入り + 住民票添付」にしておくのがおすすめです。

⑥ 戸籍は「死亡日以後の発行」かを確認

相続人の現在戸籍は、被相続人の死亡日より後に発行されたもの でなければなりません。生前に取っておいた戸籍は使えないので、発行日を確認してください。

法定相続情報一覧図 — よくあるご質問

Q.法定相続情報一覧図の取得に費用はかかる? +

法務局の交付手数料は無料です。必要な通数を何通請求しても 0 円です。ただし、添付する戸籍謄本等の取得には 1 通 450〜750 円程度の実費がかかります (家族構成により合計数千円程度が目安)。

Q.専門家に頼まず 自分で作れる? +

作れます。法定相続情報一覧図の作成と法務局への申出は、相続人ご自身で行うことができます。戸籍を集める手間はかかりますが、手続き自体に資格は不要です。関係者が多い場合や法的判断に迷う場合は、司法書士等の専門家に依頼することもできます (弁護士・司法書士・行政書士等の資格者代理人や親族が代理できます)。

Q.法定相続情報一覧図に 有効期限はある? +

一覧図の写しそのものに法律上の有効期限はありません。ただし、提出先の金融機関などが「発行後 3 か月以内」等の独自ルールを設けている場合があるため、提出先に確認してください。なお、法務局での再交付は申出日の翌年から 5 年間受けられます。

Q.法務局に行かず 郵送で申出できる? +

できます。申出書・一覧図・必要書類一式に、返信用封筒と切手を同封して管轄法務局へ郵送すれば、一覧図の写しと戸籍等の原本が返送されます。平日に法務局へ行けない方は郵送申出が便利です。

Q.誰が申出できる? 代理もできる? +

申出ができるのは被相続人の相続人 (およびその地位を承継した方) です。代理は、法定代理人のほか、親族、または弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士といった資格者代理人に依頼できます。

Q.一覧図は 手書きでもいい? +

手書きでも受け付けられます (明瞭に判読できるよう楷書ではっきり書くこととされています)。ただし記載ミスの修正や書き直しの手間を考えると、パソコンでの作成が推奨されています。自動作成ツールを使えば、名前・生年月日・続柄を入力するだけで A4 1 枚に自動レイアウトできます。

Q.相続放棄した人も 一覧図に載せる? +

載せます。相続放棄をしても戸籍の記載は変わらないため、一覧図には戸籍上の相続人として記載されます。相続放棄の事実は一覧図に反映されないので、手続き先には別途「相続放棄申述受理証明書」等を提出します。

Q.相続関係説明図とは どう違う? +

相続関係説明図は自分で作って戸籍と一緒にそのまま提出する図で、法務局の認証はありません。法定相続情報一覧図は、法務局が内容を確認して認証文を付けた公的証明書として交付されるため、戸籍の束の代わりとして複数の手続き先に同時に提出できるのが大きな違いです。詳しくは 本記事 § 1 の比較表 をご覧ください。

Q.相続人が すでに亡くなっている場合 (数次相続・代襲相続) は? +

代襲相続 (被相続人より先に子が亡くなり、孫が相続するケース) は 1 枚の一覧図に記載できます。一方、数次相続 (被相続人の死亡後に相続人が亡くなったケース) は 1 枚にまとめることができず、被相続人 1 名につき 1 枚ずつ一覧図を作成します。

Q.「みんなの相関図」で作った図は そのまま使える? +

「法定相続情報一覧図」モードは、法務局の記載ルール (モノクロ・無背景・続柄表記・A4 1 枚等) に準拠して出力されます。登録から 14 日間は無料で、登録時のカード入力もありません (何もしなければ 0 円で自動停止)。ただし最終的な記載内容の正確性は、ご利用者様の責任において必ずご確認ください。

✨ 一覧図の作成 (ステップ 3) はツールにおまかせ

法定相続情報一覧図を、その場で作ってみる

「みんなの相関図」なら、名前 / 生年月日 / 続柄を入れていくだけで A4 1 枚に自動描画。
登録不要の体験デモで、まず描画をその場で試せます。

※ 登録時のカード入力なし。14 日経過後、何もしなければ 自動でサービス停止 (= 0 円のまま)
戸籍が揃ってから登録すれば、14 日間の無料体験内で十分完成できます。

この記事の監修者

柏原 昌之 (かしはら まさゆき)

司法書士。司法書士法人かしのき事務所 代表・花の丘相続遺言サポート 代表 (埼玉県さいたま市)。相続登記・法定相続情報一覧図・遺言をはじめとする相続手続きを多数取り扱う。「専門家に頼む前に、自分でできるところまでやってみたい」という方を応援するため、「みんなの相関図」(運営: かしのき研究所) の監修を務める。

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免責事項

本記事は 2026 年 7 月時点の制度に基づく一般的な情報提供であり、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。制度の詳細・最新の取扱いは、法務局の公式案内をご確認ください。「みんなの相関図」は入力されたデータに基づいて機械的に図を描画するツールであり、出力された図面の記載内容は必ずご利用者様の責任においてご確認ください。