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相続の戸籍の集め方 完全ガイド
出生から死亡までの遡り方・広域交付・費用

公開: 2026-07-05 | 監修: 柏原昌之 (司法書士/花の丘相続遺言サポート 代表)

結論: 戸籍集めは 順番に請求すれば自分でできます。ただし取得には 1 通あたり実費 がかかります。

相続手続きの最初の関門が「戸籍集め」です。特に 被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍 を揃えるのが山場。この記事では、死亡時の戸籍から前へ遡るコツ、2024 年に始まった広域交付制度、郵送請求、費用の目安まで、司法書士監修で手順どおりに解説します。

📋 戸籍集めの全体像

項目 目安
集める書類 被相続人の出生〜死亡の戸籍一式 + 相続人全員の現在戸籍
費用の目安 戸籍謄本 450 円/除籍・改製原戸籍 750 円 (1 通・目安) × 必要通数。合計数千円程度が一般的
期間の目安 窓口なら数日/郵送を含むと 1〜数週間

1. 戸籍集めの 4 ステップ

戸籍は「今の戸籍から過去へ、一つずつ遡って請求する」のが基本です。いきなり出生時の戸籍を指定して取ることはできないので、順番に手繰り寄せていきます。

1 亡くなった方の「死亡時の戸籍」を取る

まず被相続人が亡くなった時点の戸籍謄本 (多くは除籍謄本) を、最後の本籍地 の市区町村役場で取得します。ここが戸籍集めの起点です。本籍地がわからないときは、最後の住所地で 「本籍地の記載あり」の住民票 (除票) を取ると本籍を確認できます。

2 前の戸籍へ順に遡って請求する

取得した戸籍の中の 「従前戸籍」や改製・転籍の記載 を手がかりに、一つ前の戸籍 (除籍謄本・改製原戸籍) を請求します。本籍地が前の役場と違えば、その役場へ請求します。これを 出生時点の戸籍に行き着くまで 繰り返します。

3 出生まで遡ったら相続人を確定する

出生から死亡まで連続した戸籍が揃ったら、内容を読んで 法定相続人が誰か を確定します。ここで「前婚の子」「養子縁組」「認知した子」の有無を確認します。現在の家族構成だけで判断せず、必ず古い戸籍まで目を通してください。

4 相続人全員の現在戸籍を取る

確定した相続人それぞれの現在の戸籍謄本を取得します。相続人の戸籍は 被相続人の死亡日 以後 に発行されたもの が必要です。相続関係説明図や一覧図に住所を書く場合は、あわせて住民票も用意します。

2. 出生まで「連続した戸籍」を遡るコツ

なぜ現在の戸籍だけではダメなのでしょうか。それは、戸籍が 婚姻・転籍・法改正 などのたびに新しく作り直され、その際に「すでに抜けた人 (例: 先に亡くなった子)」の情報が新しい戸籍には載らないためです。相続人を見落とさないために、出生まで途切れず戸籍をつなぐ必要があります。

🔎 遡るときの手がかり

  • 戸籍の冒頭付近の 「従前戸籍」「改製前戸籍」 の記載 → ここに前の本籍と筆頭者が書かれている
  • 「◯年◯月◯日 転籍」 の記載 → 転籍前の役場に前の戸籍がある
  • 「◯年◯月◯日 改製」 の記載 → 法改正前の 改製原戸籍 がある

用語ミニ解説

戸籍謄本 (全部事項証明書)

現在有効な戸籍の写し。今その戸籍に在籍している人全員の情報が載ります。

除籍謄本

その戸籍にいた人が全員抜けた (死亡・婚姻・転籍等) ために閉じられた戸籍の写し。被相続人が亡くなったことで除籍になっていることが多いです。

改製原戸籍 (かいせいげんこせき)

法律の改正で戸籍の様式が新しく作り替えられたときの、作り替え の古い戸籍の写し。「はらこせき」とも読みます。作り替え時に抜けていた人の情報はここでしか確認できないため、相続では重要です。

💡 どこで途切れたと判断する?

一番古い戸籍にたどり着いたかどうかは、その戸籍に 被相続人の出生の記載 (◯年◯月◯日 出生) があるかで判断します。出生の記載がある戸籍まで遡れれば、連続した戸籍が揃ったことになります。読み取りに迷う古い手書き戸籍もあるので、不安な場合は役場の窓口で相談するか、専門家に確認してもらうと確実です。

3. 2024 年開始「広域交付制度」の使い方

2024 年 3 月から始まった 戸籍の広域交付制度 により、本籍地が遠方でも 最寄りの市区町村窓口で、複数の役場にまたがる戸籍をまとめて請求 できるようになりました。転籍を繰り返した方の「出生まで遡る戸籍集め」が大幅に楽になった、相続実務でも画期的な制度です。

✅ 広域交付でできること

  • 本籍地の役場に行かなくても、お住まいの近くの市区町村窓口 で請求できる
  • 複数の本籍地にまたがる戸籍を 1 か所でまとめて 取得できる (出生までの一括請求がしやすい)

⚠️ 広域交付が使えないケース (正直にお伝えします)

  • 請求できるのは 本人・配偶者・直系尊属 (父母・祖父母)・直系卑属 (子・孫) の戸籍のみ。兄弟姉妹の戸籍は対象外 (兄弟姉妹が相続人のケースでは従来どおりの請求が必要)
  • 窓口に本人が出向く必要 があります。郵送・代理人による請求は不可 (司法書士等の専門家による代理請求もできません)。顔写真付きの本人確認書類 (運転免許証・マイナンバーカード等) を持参します
  • 司法書士などの専門家が代理で請求する場合も、広域交付制度は利用できません (専門家は従来の職務上請求等で取得します)
  • コンピュータ化されていない一部の古い戸籍など、対象外となるものがあります

郵送で戸籍を請求する方法

広域交付が使えない分 (兄弟姉妹の戸籍など) や、窓口に出向けない場合は、従来どおり 本籍地の役場へ郵送請求 します。同封するものは次のとおりです。

4. 相続人の範囲別・必要な戸籍一覧 (司法書士監修)

集める戸籍の範囲は、誰が相続人になるか で変わります。特に③のケースは戸籍が一気に増えるので注意してください。そもそも誰が相続人になるかの範囲・順位に迷ったら、相続人は誰か 完全ガイド で判定ルールを確認できます。

ケース 相続人 必要な戸籍のポイント
① 配偶者と子 配偶者・子 被相続人の出生〜死亡の戸籍 + 相続人 (配偶者・子) の現在戸籍。最も基本的な範囲
② 子がなく親 配偶者・直系尊属 (親) ①に加え、子がいないことを確認するため被相続人の戸籍を丁寧に。親の現在戸籍も必要
③ 兄弟姉妹 配偶者・兄弟姉妹 (甥姪) 戸籍が一気に増える。被相続人の戸籍に加え、被相続人の父母それぞれの出生〜死亡の戸籍 も必要 (兄弟姉妹を確定するため)

※ ③のケースでは前述のとおり広域交付制度で兄弟姉妹の戸籍が取れないため、郵送請求などを組み合わせることになります。集める量・手間ともに大きくなるので、時間に余裕をみて進めてください。

5. 手数料・期間の目安

戸籍の取得には手数料がかかります。金額は法令で定められた 全国共通の目安 ですが、証明の種類で異なります (最新・正確な金額は各自治体でご確認ください)。

証明の種類 手数料 (1 通・目安)
戸籍謄本 (現在戸籍) 450 円
除籍謄本 750 円
改製原戸籍 750 円
住民票の除票・戸籍の附票 300 円程度 (自治体により異なる)

被相続人の出生から死亡までの戸籍は 複数通に分かれる のが普通で、相続人の分も合わせると 合計で数千円程度 になるのが一般的です。郵送の場合は定額小為替の発行手数料や切手代も加わります。期間は、窓口なら数日、郵送を含むと 1 通あたり 1〜2 週間かかることもあります。

6. 集めた戸籍で相続関係説明図・法定相続情報一覧図を作る

戸籍が揃えば、相続手続きの山場は越えたも同然です。次は、戸籍に書かれた 氏名・生年月日・続柄 をもとに、相続関係説明図や法定相続情報一覧図を作成します。図の作成そのものは、みんなの相関図を使えば無料で行えます(法定相続情報一覧図の法務局での交付手数料も無料)。ただし、相続登記の登録免許税や金融機関ごとの手続きなど、その後にかかる費用は手続きごとに別途必要です。

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相続の戸籍集め — よくあるご質問

Q.相続の戸籍集めに いくらかかる? +

戸籍の取得には手数料がかかります。目安は戸籍謄本 1 通 450 円、除籍謄本・改製原戸籍 1 通 750 円程度です (自治体により異なります)。被相続人の出生から死亡までの戸籍は複数通に分かれることが多く、相続人の分も合わせると合計で数千円程度になるのが一般的です。郵送の場合は定額小為替の手数料や切手代も加わります。

Q.戸籍集めに どのくらい期間がかかる? +

本籍地が近く窓口で取れる場合は数日で揃うこともありますが、遠方の役場に郵送請求をすると 1 通あたり 1〜2 週間かかることもあります。転籍が多い方は請求を何度か繰り返すため、全体で数週間みておくと安心です。相続手続きの中でも時間のかかる工程なので、最初に着手するのがおすすめです。

Q.戸籍の広域交付は 誰でも使える? +

2024 年 3 月に始まった広域交付制度では、本人・配偶者・父母や祖父母などの直系尊属・子や孫などの直系卑属が、本籍地でない最寄りの市区町村窓口でまとめて戸籍を請求できます。ただし、兄弟姉妹の戸籍は対象外で、窓口に本人が顔写真付き本人確認書類を持って出向く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。司法書士などの専門家が代理で請求する場合も、広域交付制度は利用できません。

Q.本籍地が わからないときは どうすればいい? +

亡くなった方の本籍地がわからない場合は、住民票を「本籍地の記載あり」で取得すると本籍を確認できます。最後の住所地の市区町村で住民票の除票を本籍地入りで取れば、そこから戸籍をたどり始められます。

Q.戸籍は 代理で取ってもらえる? +

取れます。相続人本人のほか、委任状があれば親族などの代理人が請求できます。また、司法書士・行政書士・弁護士などの専門家に依頼して代わりに集めてもらうこともできます (この場合、前述の広域交付制度は使えず、従来の方法での取得になります)。戸籍集めそのものを任せたい場合は、専門家への依頼を検討してください。

Q.改製原戸籍・除籍謄本とは 何? +

除籍謄本は、その戸籍にいた人が全員抜けた (死亡・婚姻・転籍等) ために閉じられた戸籍の写しです。改製原戸籍は、法律の改正で戸籍の様式が新しく作り替えられたときの、作り替え前の古い戸籍の写しです。相続では「出生まで連続した戸籍」が必要なため、現在の戸籍だけでなく、これらの古い戸籍まで遡って集めます。

Q.郵送で戸籍を 請求するには? +

本籍地の市区町村役場あてに、請求書 (各役場のサイトからダウンロード可)・本人確認書類のコピー・手数料分の定額小為替・返信用封筒 (切手貼付) を同封して送ります。被相続人との関係がわかる戸籍のコピーを添えると手続きがスムーズです。定額小為替は郵便局で購入できます。

Q.コンビニ交付の戸籍でも 相続に使える? +

マイナンバーカードによるコンビニ交付で取れるのは、基本的に現在戸籍です。相続で必要な「出生まで遡る古い戸籍 (除籍・改製原戸籍)」はコンビニ交付の対象外のことが多く、役場の窓口や郵送、広域交付制度で取得することになります。取得できる範囲は自治体により異なるため、事前にご確認ください。

Q.兄弟姉妹が相続人のときは 戸籍が増える? +

増えます。被相続人に子がなく、父母も既に亡くなっていて兄弟姉妹が相続人になる場合、「他に子がいないこと」「兄弟姉妹が誰か」を証明するために、被相続人だけでなく被相続人の父母それぞれの出生から死亡までの戸籍も必要になります。集める戸籍の量が一気に増えるため、時間と費用に余裕をみておきましょう。

Q.集めた戸籍で 相続関係説明図や法定相続情報一覧図は作れる? +

作れます。戸籍が揃えば、そこに書かれた氏名・生年月日・続柄をもとに相続関係説明図や法定相続情報一覧図を自分で作成できます。「みんなの相関図」なら、集めた情報を入力していくだけで図が自動で描画されます。登録不要の体験デモをその場で試せるほか、登録から 14 日間は無料です (登録時のカード入力なし)。戸籍を揃えてから登録すれば、14 日間の無料体験内で十分完成できます。

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この記事の監修者

柏原 昌之 (かしはら まさゆき)

司法書士。司法書士法人かしのき事務所 代表・花の丘相続遺言サポート 代表 (埼玉県さいたま市)。戸籍収集・相続登記・相続関係説明図・法定相続情報一覧図をはじめとする相続手続きを多数取り扱う。「専門家に頼む前に、自分でできるところまでやってみたい」という方を応援するため、「みんなの相関図」(運営: かしのき研究所) の監修を務める。

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免責事項

本記事は 2026 年 7 月時点の制度・実務に基づく一般的な情報提供であり、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。戸籍の手数料・広域交付制度の取扱い・取得できる範囲は、自治体や法改正によって異なる場合があります。最新・正確な情報は、各市区町村や法務省の公式案内をご確認ください。「みんなの相関図」は入力されたデータに基づいて機械的に図を描画するツールであり、出力された図面の記載内容は必ずご利用者様の責任においてご確認ください。